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「備蓄の水は4人家族で84L」。これは我が家が使っているウォーターサーバーの公式サイトに載っている数字です。12.5Lのボトルで約7本。そのくらいなら置けるかな、と一度は納得しました。
ただ、農林水産省の資料をもう1つ読んで、手が止まりました。乳幼児や高齢者などに向けたガイドがあって、そこには粉ミルクや離乳食は「少なくとも2週間分」と書いてあったからです。
では、その粉ミルクを溶く水は何日分いるのか。
ここが、探しても書かれていませんでした。
我が家には中学生1人・小学生1人・保育園児2人の子どもがいます。この記事は、公的な資料に何が書かれていて、何が書かれていないのかを整理したものです。
この記事でわかること
- 農水省が示す備蓄水の目安(1人1日3L・最低3日〜1週間分)
- 人数と日数で計算するとどうなるか
- 乳幼児等に向けたガイドでは「特殊食品」の目安が2週間分になること
- ただし水の日数は書かれていないこと
- 2011年・2013年の調査でわかる、自治体の特殊食品の備蓄状況
- ウォーターサーバーは備蓄になるのか、ならないのか
公的な目安は「1人1日3L」
農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」には、こう書かれています。
最低3日分〜1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましい
水については、家庭備蓄の例(1週間分/大人2人)として水 2L×6本×4箱が挙げられ、注記に「1人1日およそ3L程度(飲料水+調理用水)」とあります。
同じガイドには、ライフラインの停止が約1日〜7日続くことや、自治体のハザードマップを確認して2週間分など多めに備えることも大切だとも書かれています。
なお、飲む分だけなら量は変わります。乳幼児や高齢者などに向けた別のガイドでは、「飲料水として、1人当たり1日1リットル」「調理等に使用する水を含めると、3リットル程度あれば安心」と、飲用と調理用を分けて書いています。
人数と日数で計算してみる
計算は単純で、1日3L × 人数 × 日数です。
まず、メーカーの公式サイトが例として挙げている4人世帯のモデルで見ます。
| 日数 | 必要量(4人世帯のモデル) | 12.5Lボトル換算 |
|---|---|---|
| 3日 | 36L | 約3本 |
| 1週間 | 84L | 約7本 |
この4人という人数は、メーカー公式が例として示しているモデルです。我が家は子どもが4人いるので、この例より必要量は多くなります。ご自身の世帯人数で計算してください。
2Lのペットボトルを6本入りのケースで用意する場合、1週間分の84Lは42本=7ケースになります(ケースの入数は商品によって異なります)。
※いずれも公的な目安をかけ算した参考値です。世帯ごとの実態を推計した数字ではありません。
「特殊食品は2週間分」と書かれている
問題はここからでした。
農林水産省には、乳幼児・高齢者・慢性疾患や食物アレルギーのある方に向けた「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」という別の冊子があります。
ここで言う「特殊食品」とは、アレルギー対応食、乳児用ミルク、離乳食、嚥下困難な方向けの軟らかいおかゆなどのことです。
そして、こう書かれています。
災害時には物流機能の停滞により、特殊食品が手に入りにくくなることが想定されます。平時から少なくとも2週間分を備蓄することが推奨されます。
一般向けのガイドが「最低3日〜1週間分」なのに対して、乳児用ミルクや離乳食は2週間分。日数が倍以上に変わります。
水の日数は、書かれていない
ここで気づいたことがあります。
同じページには水の欄もあるのですが、そこに書かれているのは「1人1日1リットル(飲料)」「調理等を含めると3リットル程度」という量だけで、何日分という記述がありません。
つまり、こういう状態です。
- 乳児用ミルクや離乳食:少なくとも2週間分と書かれている
- 水:1日あたりの量は書かれているが、日数は書かれていない
粉ミルクを製品表示どおりに調乳する場合は、水も別に用意する必要があります(調乳に使う水や方法は各製品の表示をご確認ください。液体ミルクのように水がいらない製品もあります)。
かといって、「だから水も2週間分が推奨されている」とは書けません。資料にそう書かれていないからです。
ここは各家庭が自分で決めるしかない部分でした。判断材料として、日数別に並べておきます。
| 前提(4人世帯のモデル) | 資料での扱い | 必要量 | 12.5Lボトル |
|---|---|---|---|
| 3L×4人×3日 | 一般ガイドの「最低3日分」で計算 | 36L | 約3本 |
| 3L×4人×7日 | 一般ガイドの「1週間分」で計算 | 84L | 約7本 |
| 3L×4人×14日 | 168Lという量は資料に直接の記載なし。ミルクの期間に水を合わせた場合の参考計算 | 168L | 約14本 |
14日の行の168Lは、資料に直接書かれた量ではありません。「乳児用ミルクを2週間分備えるなら、水も同じ期間で考える」とした場合にこうなる、という計算にすぎません。そのまま目標値として扱うものではありません。なお、一般向けのガイドには、ハザードマップを確認して2週間分など多めに備えることも大切だと書かれています。
2011年・2013年の調査にみる、自治体の特殊食品の備蓄状況
「足りなければ配給があるのでは」とも考えました。これについても、同じガイドにデータが載っています。
※以下は、2011年の避難所調査と2013年の自治体調査に基づく掲載データです(論文の公表年はそれぞれ2014年・2015年)。現在の状況とは異なる可能性があります。
まず、東日本大震災の発災24〜25日後に、ある市の全避難所を対象に行われた調査です。有効回答が得られた69避難所のうち、24施設(34.8%)で「通常の食事では対応できない避難者」がいました。その中で多かったのが、ミルクや離乳食が必要な乳児でした。
次に、震災から2年半後に全自治体を対象に行われた調査です。
| 項目 | 自治体数 | 割合 |
|---|---|---|
| 地域防災計画等に特殊食品の備蓄が示されている | 421 | 33.7% |
| 示されていない | 829 | 66.3% |
※n=1,250
さらに、備蓄が示されていた自治体のうち、備蓄している特殊食品について集計された418自治体を分母とする内訳が次のとおりです(複数回答)。
| 特殊食品 | 418自治体での割合 | (全1,250自治体に対する割合) |
|---|---|---|
| 乳児用粉ミルク | 69.6% | 23.3% |
| おかゆ | 51.4% | 17.2% |
| アレルギー対応食品 | 35.9% | 12.0% |
| ベビーフード | 7.2% | 2.4% |
粉ミルクは比較的備えられている一方、ベビーフードの割合は低くなっています。ガイド自身も「近年、備蓄している自治体は増えてきていますが、自らの備蓄が大事です」と書いています。
ただし、この調査だけで現在の自治体の備蓄状況や、災害時に何がどれだけ届くかを判断することはできません。データは特殊食品の計画・備蓄状況についてのもので、水や支援物資全般の供給可否を示すものでもありません。お住まいの自治体の現在の方針は、地域防災計画や備蓄計画で確認してください。
置き場所という現実的な問題
数字が出たところで、次は置き場所でした。
2Lのペットボトル(6本入りケース)で1週間分の84Lを用意すると42本、7ケースです。2週間分で考えると84本、14ケースになります。
我が家はウォーターサーバーを使っていて、ボトルの置き場所にはもともと困っています。そこにさらに段ボールを積むのは、正直なところ現実的ではありませんでした。
ここで出てくるのがローリングストックという考え方です。多めに買って、古いものから日常的に使い、使った分を買い足す。専用の備蓄品を別枠で持つのではなく、普段の消費の中に在庫を組み込む方法です。
※ここから1文は広告です。水そのものを買って備える場合は、Amazonの「長期保存水」の一覧で、保存期間(5年・7年など)や1本あたりの容量を比べられます。上で出した「1人1日3L」の計算に当てはめて、何本必要かを見てみてください。
ウォーターサーバーは備蓄になるのか
我が家が使っているプレミアムウォーターの公式FAQでは、未開封ボトルの在庫を多めに保ち、定期配送が届いたら古いボトルから消費する方法が、ローリングストックとして案内されています。
ただし、これは同社の未開封ボトルについての案内です。ウォーターサーバー一般に当てはまる話ではありません。利用できるかどうかや必要な在庫量は、契約中または検討中のサービスの条件をご確認ください。
そのうえで、契約前に確認しておいたほうがいい点が3つありました。
1. 停電したときに水をどう出すか
ウォーターサーバーの多くは電気を使います。同FAQによると、停電時の出水方法は機種によって異なります。重力で水が出る仕組みのため電気がなくても出水できる機種もあれば、付属の「非常用コック」をボトルに差し込んでボトルから直接出す方式の機種もあります。
停電時に本体から出水できるのか、非常用コックが付属するのか、長期停電時の取り扱いはどうなるのか。これらは機種ごとに違うので、契約中または検討中の機種の公式の取扱説明書・FAQで確認してください。
2. 賞味期限は約6か月
同FAQによると、未開封の賞味期限は製造から約6か月です。
日常的に消費して入れ替えるローリングストックには向きますが、「買って押し入れに入れておけば数年もつ」という使い方はできません。長期保存を目的とした水を併用する場合は、各商品に表示された賞味期限と保存条件をそれぞれ確認してください。
3. 水道直結型・浄水型は、備え方が変わる
ウォーターサーバーには、水道に直結したり、水道水を注いで浄水したりするタイプもあります。ボトルを置く場所が要らないのが利点です。
ただし、水道直結型は断水すると新たな給水ができません。注ぎ入れるタイプも、タンクに残っている水の量、別に保管した水を使えるかどうか、非常時に使用してよいかは機種ごとに違います。
ボトルの置き場所を減らす目的と、備蓄を確保する目的では、選び方が変わります。タイプごとの違いは、別の記事で料金と合わせて比較しています。
→ ウォーターサーバーのボトル置き場に困って、浄水型と比べてみた【4人家族・月60Lで料金比較】
我が家では、日常で回る分をサーバーで持ち、足りない分を別に用意する形にしています。これは我が家の考え方であって、必要量も置ける量も家庭によって違います。
以下は広告です。料金・機種・停電時の仕様・賞味期限・解約条件は公式サイトでご確認ください。
まとめ
- 農水省の目安は1人1日およそ3L(飲料水+調理用水)、食品の家庭備蓄は最低3日〜1週間分
- 計算は「3L × 人数 × 日数」。4人世帯のモデルなら3日で36L、1週間で84L
- 乳幼児等に向けたガイドでは、乳児用ミルクや離乳食などの「特殊食品」は少なくとも2週間分が推奨されている
- ただし水について何日分という記述はない。「水も2週間分が推奨」とは書かれていない
- 2013年の調査では、66.3%の自治体が地域防災計画等に特殊食品の備蓄を示していなかった。ただしこの調査から現在の供給可否は判断できない
- プレミアムウォーターの公式FAQは未開封ボトルでのローリングストックを案内しているが、停電時の出水方法は機種による、未開封の賞味期限は約6か月、水道直結型は断水時に給水できない
この記事は資料に書かれていることと書かれていないことを整理したもので、備蓄量を指定するものではありません。必要量はお住まいの地域の状況や家族構成によって変わります。自治体のハザードマップと地域防災計画を合わせて確認してください。
出典
- 出典:「災害時に備えた食品ストックガイド」(平成31年3月・農林水産省)https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook.html (2026年9月5日に利用)
- 出典:「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」(平成31年3月・農林水産省)https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook.html (2026年9月5日に利用)
※避難所調査の出典は Tsuboyama-Kasaoka et al. Asia Pac J Clin Nutr. 2014、自治体調査は山田・須藤・笠岡(坪山)ら, 日本栄養士会雑誌 2015(いずれも同ガイドに掲載) - 出典:「家庭備蓄ポータル」(農林水産省)https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/index.html (2026年9月5日に利用)
- プレミアムウォーター「災害用の備蓄としてもプレミアムウォーターのお水は利用できますか?」https://faq.premium-water.net/answer/5f4491c83471ab0011eb2245/ (2026年9月5日に確認)
(仕様・料金・賞味期限は変更される場合があるため、申し込み前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください)


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