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2026年4月から「こども誰でも通園制度」が全国で始まりました。
「働いていなくても保育園に預けられる制度」——ニュースで見たときはそう理解していて、うちも下の子が保育園に入る前だったら使いたかったな、くらいに思っていました。
ところが、こども家庭庁の資料を読んでみたら、「誰でも」という名前のわりに、対象になる子はかなり限られていることが分かりました。
具体的には、うちの4人は全員が対象外でした。
この記事では、こども家庭庁の手引とQ&Aをもとに、誰が対象で誰が対象外なのか、いくらかかるのか、そして名前から受ける印象と実際のズレを整理します。
この記事でわかること
- 2026年4月から何が変わったのか
- 対象になる子・ならない子(ここが一番の勘違いポイント)
- 月何時間まで使えるのか(住んでいる市町村によって違います)
- 利用料はいくらか(実費が別にかかることがあります)
- 申し込みから利用までの流れ
- 「一時預かり」との使い分け
2026年4月に何が変わったのか
こども誰でも通園制度そのものは2025年度(令和7年度)から始まっていました。ただしそれは「地域子ども・子育て支援事業」として、一部の市町村で実施されていたものでした。
2026年度(令和8年度)からは、子ども・子育て支援法にもとづく「乳児等のための支援給付」という新しい給付に変わりました。手引にはこう書かれています。
制度の本格実施により、①給付制度となることで一定の権利性が生じること、②全国どの自治体でも共通で実施することとなります。
最新のQ&A(No.1-6)でも、2026年度からは市町村が「管内すべての対象のこどもが利用できるよう」受け入れ先を整える必要があるとされています。
つまり2026年4月からは、住んでいる市町村がやっているかどうかを気にしなくてよくなった、というのが一番大きな変化です。
ただし、制度が全国で実施されることと、希望する園にすぐ空きがあることは別の話です。利用できる施設や空き状況、面談の日程は地域や園によって違います。
対象になる子・ならない子
ここが名前から受ける印象と一番ズレるところです。手引の「利用対象」にはこう書かれています。
0歳6か月から満3歳未満(3歳の誕生日の前々日までのことを指す)で保育所等に通っていないこどもを対象とし、保護者の居住地の市町村が支給認定を行います。
条件は2つです。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 年齢 | 0歳6か月〜満3歳未満(3歳の誕生日の前々日まで) |
| 通園状況 | 保育所等に通っていないこと |
就労要件はありません。働いていてもいなくても使えます。ここは名前のとおりです。
ただし「保育所等に通っていない」という条件があるので、すでに保育園や認定こども園に通っている子は使えません。うちの下の2人は保育園に通っているので、この時点で対象外でした。上の2人は小学生・中学生なので年齢で対象外です。
通っている施設の種類で分かれるところ
Q&Aと手引を読むと、施設の種類でも扱いが違います。
| 通っている先 | 対象になるか |
|---|---|
| 認可保育所・認定こども園など | 対象外 |
| 認可外保育施設 | 対象になる |
| 企業主導型保育施設 | 対象外 |
| 一時預かり事業を利用中 | 要件を満たせば対象 |
| 児童発達支援センター等に通所中 | 要件を満たせば対象 |
同じ「保育施設に通っている」でも、認可外なら対象で企業主導型なら対象外、という分かれ方をしています。ここは自分の子がどれに当たるか、園に確認したほうが確実です。
月何時間使えるかは市町村によって違う
制度の上限は月10時間です。ただし、ここに2026年度・2027年度限定の落とし穴があります。手引の注記です。
令和8・9年度については、経過措置として、月10時間での実施が難しい市町村は、条例で利用可能時間を3時間〜10時間未満の範囲内で設定することができます。
つまり、2026年度と2027年度は、住んでいる市町村によって月3時間しか使えない可能性があるということです。Q&A(No.1-21)でも、経過措置で3時間と設定した自治体について「当該設定した時間が上限となり、それを超えた部分の給付は行われません」と書かれています。
逆に、市町村が自分の負担で10時間を超える上乗せをすることも認められています(Q&A No.1-9・1-10)。
月10時間だと思って予定を立てる前に、自分の市町村が何時間で設定しているかを確認したほうがいいです。ここは全国一律ではありません。
月10時間がどれくらいかというと、1回2時間なら月5回です。1回3時間なら月3回で9時間なので、残った1時間も別の日に使えます。予約は最低1時間から、以降は30分単位で、つうえんポータル上の時間枠は毎時0分と30分のみです(手引P14)。
ここで注意したいのは、この制度は「保護者のリフレッシュのための預け先」として設計されていないということです。手引には、利用のしかたとして「定期利用」(園や曜日・時間を決めて通う)と「柔軟利用」(決めずに柔軟に使う)の2つが示されたうえで、こう書かれています。
保護者の都合のみで一時的に用事先近辺の事業所に預ける等の利用は、制度本来の趣旨である「こどもの育ち」に沿った利用方法とは言えません。このような場合には、まずは、一時預かり事業を利用することが考えられます。
用事のあいだ預かってもらいたい、という使い方は一時預かり事業のほうが想定されています。こども誰でも通園制度は、子どもが場や人に慣れて関係をつくっていくことを目的にした制度です。毎日預けられる保育園の代わりでもありません。
利用料はいくらか
国が示している標準額は1時間あたり300円程度です。ただしQ&A(No.2-2)には重要な但し書きがあります。
「1時間当たり300円程度」はあくまでも標準としてお示ししている額であり、全国又は市町村単位で一律に設定することを強制するものではありません。
利用料を決めるのは事業所(園)です。国が決めた値段ではありません。
標準額で計算すると、月10時間まるまる使った場合はこうなります。
| 使った時間 | 標準額での利用料 |
|---|---|
| 月3時間(経過措置の下限) | 約900円 |
| 月5時間 | 約1,500円 |
| 月10時間(上限) | 約3,000円 |
※あくまで「1時間300円」で計算した目安です。実際の額は利用する園が決めます。
この表は利用料だけの目安で、これ以外に実費がかかることがあります。Q&A No.1-33では、昼食代・おやつ代などの実費は「保護者の同意のうえ、必要に応じて徴収いただいて問題ありません」とされています。実費の有無と金額は園によって違うので、面談のときに確認してください。
なお手引では、園が利用料を決めるにあたって「乳児等支援給付認定保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮する必要があります」とされています。また、リトミック・英語・スイミングなどの習い事に類する内容の対価として利用料を取ることは認められていません。
支払い方法は、つうえんポータル上で都度払い(当日後払い)と月額払い(後払い)の2つが設定できるようになっています(Q&A No.10-7)。
利用料を安くする(減額する)かどうかは、園が決めます。最新のQ&A(No.2-9)では、2026年度からの利用料は園が保護者の同意を得て受け取るものなので、減額するかどうかの判断も園が行うとされています。
そのうえで、生活保護世帯など、国が決めた条件に当てはまる家庭について園が利用料を減額した場合は、家庭の区分に応じて園への給付が上乗せされる仕組み(生活困窮家庭等負担軽減加算)があります。上乗せの上限は、その園が決めた利用料の額です。こども家庭庁は、こうした家庭が利用したときは、基本的にこの上乗せの額に合わせて減額することが望ましいとしています(公定価格に関するQ&A 6-9)。
この上乗せには、保護者からの申請が必要です(同6-4)。利用したあとから申請しても、原則としてさかのぼっては適用されません(同6-5)。当てはまりそうな場合は、使い始める前に、申請のしかたを市町村に確認してください。
なお、公立の園では、利用料や減免の扱いを市町村の条例で決めていることがあり、その扱い方によってはこの上乗せの対象になりません(Q&A No.2-5・2-6)。
また、要支援家庭(こども家庭センターのサポートプランの対象になっているなど、関係機関の連携が必要と市町村が認めた家庭)の子について園が利用料の負担軽減を行った場合も、園に対して給付費が加算される仕組みが手引に示されています。自分が対象になるかどうかは、市町村に直接確認してください。
申し込みから利用までの流れ
利用には「つうえんポータル」という国のシステムを使うのが原則です。手引に書かれている流れを、保護者がやることだけ抜き出すと次のようになります。
- 給付認定の申請:市町村の窓口、マイナポータル、こども誰でも通園制度総合支援ポータルサイトなどから申請する
- ログインIDが届く:市町村が認定すると、メールでログインIDが発行される。認定証はポータル上で確認でき、市町村から送られてくる必要はないとされている
- 子どもの情報を登録:アレルギー情報など
- 施設を検索して事前面談を申し込む:園の空き状況を見ながら申し込む
- 事前面談を受ける:里帰り出産などを除き、原則対面。ここで重要事項の説明を受ける
- 利用予約:面談が終わった園について、空き状況を見ながら予約する
- 利用:登降園時に二次元バーコードを読み込むと時刻が記録される
- 初回利用後は事後面談:その日の子どもの様子のフィードバックを受ける
ポイントは、予約の前に必ず事前面談があることです。思い立った日にすぐ預けられる制度ではありません。使いたい園が決まったら、まず面談の予約から始まります。
キャンセルの期限や扱いは、市町村や園ごとに決めることになっています(手引P17)。手引では、利用当日の午前0時以降にキャンセルした場合、キャンセルした時間は使ったものとみなされ、その月に使える残りの時間から引かれる扱いが示されています。園の都合で休みになった場合は引かれません。キャンセルの期限、キャンセル料がかかるのかも含めて、事前面談のときに必ず確認しておいたほうがいいです。
名前と中身のズレをどう見るか
手引の「はじめに」には、この制度が作られた理由が書かれています。
0〜2歳児の約6割が未就園児ですが、そうしたこどもを持つ子育て家庭には「孤立した育児」の中で不安や悩みを抱えている保護者がおり、そうした保護者への支援の強化が求められています。
0〜2歳の約6割が未就園児という数字を見て、なるほどと思いました。この制度は「保育園に入れなかった人の受け皿」でも「保育園の代わり」でもなく、もともと保育園を利用していない家庭に向けた制度なんだと分かります。
だから「誰でも」なのは就労要件の話であって、通園状況の話ではないわけです。名前だけ聞くと逆に読めてしまうので、そこは分かりにくいと思います。
うちは4人とも対象外でしたが、生後6か月〜満3歳未満で保育所等に通っていない子がいる家庭にとっては、月に数回でも通える先ができるのは大きいはずです。特に、就労要件がないので「働いていないから預けられない」がなくなったのは、これまでの制度と根本的に違うところだと思います。
対象外だった家庭は、家で何をしているか
この制度が作られた背景に「0〜2歳児の約6割が未就園児」という数字があるとおり、0〜2歳を家で見ている家庭は多数派です。うちも上の子のときはそうでした。
月10時間(自治体によっては月3時間)は、家で過ごす時間の代わりになる量ではありません。制度を使う・使わないにかかわらず、家で過ごす時間のほうが圧倒的に長いのは変わらないと思います。
この先、学年が上がると学びにかかるお金がどう動くのかは、文部科学省の統計で小1から中3まで並べた記事にまとめています。→ 通信教育と学習塾、学年別の費用はどう増えるか
この時期の子ども向けの通信教育もいくつかあります。そのひとつのこどもちゃれんじについては、我が家では利用していないので使用感は書けませんが、「退会できない」「コスパが悪い」という評判が本当かを公式情報と口コミから調べた記事を別に書いています。
おもちゃについては、買うかサブスクにするかで迷って比較した記事がこちらです。
まとめ
- 2026年4月から、こども誰でも通園制度は全国の市町村で実施される給付になった
- 対象は0歳6か月〜満3歳未満で、保育所等に通っていない子。すでに保育園に通っている子は対象外
- 就労要件はない
- 上限は月10時間。ただし2026・2027年度は経過措置で、市町村によっては月3時間〜10時間未満
- 利用料は国の標準が1時間300円程度。決めるのは園なので、実際の額は園による。昼食代・おやつ代などの実費が別にかかることがある
- 利用にはつうえんポータルでの認定申請と、原則対面の事前面談が必要
- 保護者の用事のあいだ預かってもらう使い方は、一時預かり事業のほうが想定されている
- 利用料を減額するかどうかは園が決める。生活保護世帯など条件に当てはまる家庭を園が減額したときに、園への給付に上乗せが出る仕組みがあり、保護者の申請が必要(公立の園は扱いが違う場合がある)
「誰でも通園」という名前から受ける印象と、実際に使える人の範囲にはズレがあります。使えるかどうかは、生後6か月〜満3歳未満かどうかと、いま保育所等に通っているかどうかの2点で決まります。
参考にした一次情報(2026年9月14日確認)
- こども家庭庁「こども誰でも通園制度について」
- こども家庭庁「こども誰でも通園制度の実施に関する手引」令和7年3月(令和8年3月改訂版)
- こども家庭庁保育政策課「令和8年度 こども誰でも通園制度に関するQ&A【第2版】」令和8年9月2日
- こども家庭庁「こども誰でも通園制度の公定価格に関するQ&A【第2版】」(令和8年9月2日掲載)
- こども誰でも通園制度総合支援ポータルサイト
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